空から、ひとひら、ふたひら。
舞い落ちる、真っ白な雪。
羽のようだ、とジャックは思った。
というかそれくらいしかたとえが見つからなかった。
彼女なら、これを見てなんと言うのだろう。
「ジャック・・・そんなに外にいると風邪ひくわ・・・。」
ふと気配を感じて振り向くと、白いコートを羽織ったかごめが立っていた。
かごめも、ジャックの横に立って空を見上げる。
「明日は積もりそうね・・。」
雪は、彼女の黒い髪に、ジャックの頬に。
触れては消えていく。
消えなければいいのに。
このまま埋もれてしまいたい。
白。一面の白。
その中でかごめの黒髪だけは黒さを保っている。
だから彼女は強い。
埋もれることなく、最後まで立っているだろう。
いつまでも雪を見ているジャックにかごめは聞いた。
「雪が・・・珍しいの・・・?」
ジャックは目を閉じた。
今でも脳裏に焼き付いている、赤く燃える空。
あそこからはこんな綺麗なものは降ってこなかった。
「俺のいた世界では・・・黒い雨とか、灰とかしか降らなかったから。」
あの赤くて暗い空からは悲しみや絶望しか降らなくて
それに打たれ続けていた俺は灰にまみれて空を見上げて。
あの頃何を思っていたかなんて覚えていないし思い出す必要もない。
ひらりと、純白が落ちる。
ジャックはただそれを見上げて、
この純白はかごめのようだ、と思った。
「・・・くしゅ!」
隣で、かごめが小さくくしゃみをした。
「家の中、入るか。」
ジャックは空からかごめに視線を戻した。
少しだけ頬が冷たい。
「・・・さっきから私、そう言ってたのに・・・。」
そう言って彼女は小さく笑って。

雪と違って、触れてもその微笑みは消えないけど。
この純白は、彼女のようだと思った。




あたしはジャクかご結構良いと思うんだけどなあ・・・
でもこんなSSじゃジャクかごの良さを出し切れていない(泣
妹に見せたら『バカップルだね』とか言われた。何故?

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