「それ、何?」
「飴。」
目の前の水色頭は短くそう答えると、ぱりぱりと包み紙を破いて、大きな飴を指でつまんだ。
体に悪そうな、海の色でも空の色でもない蛍光ブルー。
自分の髪の色にそっくりなそれを、サイバーは口に放り込む。
「おいしいの、それ?」
「おう。アゲハも食うか?」
サイバーは口の中でころころと飴を転がしながら、あたしにも包みを一つ投げて寄越した。
ぱし、と手の中に落ちてきた包み紙をまじまじと見つめる。
サイダー飴、とそこには小さく書かれていた。
一文字違い。道理でこいつに似た色のはずだ。
あたしは無言で包みを破くと、飴を取り出す。
青い飴はあたしの指先でプラスチックのおもちゃのように見えた。
口に放り込めば、人工的な甘さが広がる。
でも、さわやかな味。甘いものはそこまで好きじゃないけど、
「結構好きかも。」
「だろ?近未来の味がするよな!」
あたしの答えにサイバーは満足げに笑う。
その横顔をぼんやり見つめながら、あたしは口の中の飴の味と目の前のこいつをなんとなく重ね合わせていた。
爽やかなサイダーの味と、目の覚めるような青い髪。
「似てる」
思わずそう呟いてから、自分の言ったことに気づいて少し慌てて。
あたしは何と何が、とは言わなかったのに、
目の前でサイバーが「やっぱり?」と笑うから
あたしはまだ大きい飴をがりりと噛んでしまった。
砕けた飴はそれでもさわやかで、
何故か寂しくてあたしは「もう一つちょうだい」と小さく呟いた。


間違えて消しちゃったので、記憶を頼りに書き直しました。
でも、こんな話だったっけ・・・?
なんか違う気がする。

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