殺してやろうと思ったのに。殺せなかった。
俺はコイツを殺さなければいけないこれは命令だ。それでもできなかった。
思考の端に黒い髪がちらつく。歌が聞こえる。
あいつは今何処にいるんだろう何を見ているんだろう俺を覚えてくれているだろうか。
そればかり気になる。
会いに行ってみようか。
何処に居るかもわからないのに?俺の事覚えていないかもしれないぞ?
それでもいいや、と思った。
此処に居るよりはマシだ。
もう汚い空も血の匂いも誰かを殺すのもうんざりだ。
前は耐えられたはずだが今は無性に腹立たしい。
俺はいつからこんなに弱くなってしまったのだろう。
でも別にあの頃に戻りたい、強くなりたいとは思わなかった。
今はあの頃は知らなかった大切なものを知っている。それだけで十分だ。
黒い髪が揺れる。俺の髪とは対照的なあいつの髪の夜の色が好きだった。
あいつに会いに行こうもう此処には居たくない。
俺は駆け出した。
何故かはわからないがあいつはまだ俺のことを覚えていてちゃんと名前を呼んでくれると知っている。

黒い色と白い花が頭の中でひたすら回っていた。



細かい設定は気にしないで下さい。
ジャックはまだこの感情が恋だとは気付いていないっぽい。

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