人ごみも、知らない奴ばかりの場所も苦手だった。
「早く帰りてぇ・・・。」
しかし、一人ならともかくツーストはグループとしてこのパーティーに参加してるから
自分一人だけ先に帰ってしまうわけにもいかない。
ツースト以外のメンバーはそれぞれ誰かと喋っていたり、馬鹿騒ぎしていたりしている。
でもツーストは知らない人に話し掛けるのは苦手だし、騒ぐのはもっと苦手だ。
つまり特にするべき事がなかった。
しかたなく、会場の隅で壁にもたれて参加者をぼんやりと眺めていた。
うわ、あの人髪型凄い・・・あいつ、何で浮いてるんだろう・・・
なんか人じゃないのもいるし・・・あ、あいつTVで見た事あるな・・・
そんな事を思いつつぼんやりしていると。
足下に、ひんやりとした感触。
「わ、な、何だ?」
ツーストが慌てて下を見ると、足下になんか小さい生物が立っていた。
丁度膝くらいにそれの頭があって、こっちを見上げている。
何だかピラミッドとかにいそうな格好だった。
見上げる目だけ、無機質に青かった。ガラスのよう。長い耳がぴょこぴょこ動いている。
吃驚したけど、とりあえずしゃがんで話し掛けてみた。
「どうしたんだ?誰かとはぐれたのか?」
首を振る。そして、こっちを指差した。
あなたと、同じ。
「・・・・お前も、人ごみ苦手なのか。」
うなずいた。青い目に吸い込まれそう。
なんとなく自分と通じるものを感じた。
砂漠の、匂いがする。
もしかして、こいつもそれを感じて俺のところに来たのだろうか。
そんな事を考えた。
「俺はツーストだ。お前、名前は?」
聞いてしまってから、こいつ喋れるのかな、と考えてしまったけど。
『・・・パピルス。』
ちょっと間を置いて答えが返って来たのに驚いた。
不思議な声。遠くから聞こえてくるような。
・・・でも、確かに、足下から響く。
綺麗な声だと思った。
「そうか。よろしくな、パピルス。」
『・・・・・。』
何も言わなかったけど、少しだけ笑っているよう。
表情は変わらないけど小さく頷いた。
変わった友達が出来たな。みんなにどう紹介しようか。
ツーストはそんな事を考えながらパピルスを抱き上げた。





ツーパピ。カップリングではなく。
ちなみにパーティー=ポップンパーティー。
でもツーストは砂漠出身じゃないよね。

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